日本経済新聞より

『厚生労働省は2012年にも、専業主婦の年金制度を見直す方針だ。会社員が加入する厚生年金と公務員の共済年金について、夫の保険料の半額を妻が負担したと見なし、夫と妻で年金を2等分してそれぞれ給付する。夫婦合算の保険料負担や年金受取額は変わらない。
 主婦も保険料を納付すると位置付け、給付の根拠を明確にする。


 29日の社会保障審議会年金部会で議論を始め、来年の通常国会で関連法案の提出を目指す。

 厚生年金の保険料は会社員と事業主が折半している。会社員や公務員を夫に持つ専業主婦は「第3号被保険者」と呼ばれ、保険料を支払わなくても基礎年金を受け取れる。このため保険料を支払っている自営業者の妻や女性会社員から「不公平」との批判を受けている。

 結婚期間中に夫が納めた分の保険料は夫婦が共同で納めたと見なす。専業主婦も保険料を納付したと位置付けることで、不公平感を和らげる狙いだ。
 (1)専業主婦に別途の保険料負担を求める(2)夫が追加で保険料を支払う(3)妻の年金を減額する――などの案も議論するが、厚労省は世帯の負担や給付を変えるのは難しいとみている。


 新制度でも夫婦合算の年金給付額は変わらないため、年金財政には大きな影響は与えない。現行制度でも離婚の場合は、最大で夫の年金の半分を妻が受け取る仕組みになっている。


 ただこの制度を導入すると、夫名義の厚生年金受取額は半分になる。配偶者が死亡した場合の年金受取額が減る可能性もある。

 現在の制度では、夫が死亡した妻は厚生年金の75%を「遺族年金」として受け取ることができる。夫が死亡した場合は妻の分だけ給付することにすれば、受取額は現在の3分の2になる。妻が先に死亡した場合は夫の給付額が現在の半分になる可能性もある。このため厚労省は現在の給付額から大きな変更が出ないよう詳細を詰める』

文責:永嶌和彦