日本経済新聞より

『政府税制調査会は14日に非公式会合を開き、東日本大震災の復興財源に充てる臨時増税案をめぐって集中討議した。
 法人税は国税・地方税を合わせた実効税率を5%引き下げたうえで、国税分について3年間にわたって税額を1割上乗せする定率増税を実施。法人減税の幅を圧縮する。法人実効税率は現行の40.69%から38%程度になるとみられる。
 政府税調案をたたき台に、民主党税制調査会が最終的な増税案を策定。政府・民主三役会議で正式に決定する。


 政府は臨時増税によって2012年度からの5〜10年間で11兆〜12兆円を捻出する計画。当初は13.2兆円を想定していたが、歳出削減や税外収入を上積みし、1兆〜2兆円を圧縮する。


 政府税調案では、法人税については実効税率の5%引き下げに併せて、税額を1割上乗せする定率増税を実施する。
 具体的には30%の表面税率をいったん25.5%に下げるが、同時に税額の1割分に当たる2.55%を上乗せして税率を28.05%にする。企業の国際競争力に配慮し、法人増税は来年度から3年間に限定する。


 政府税調は増税対象とする税目について(1)所得税、法人税(2)所得税、法人税、たばこ税などの個別間接税(3)消費税―の3案にまとめた。現状では(1)と(2)が有力とみられる。
 14日の会合では(1)のケースの場合、所得税の10%の定率増税なら5年間、5%なら10年間にわたって増税するというシナリオを示した。

 (2)のケースはたばこ税などの増税を組み合わせ、所得税や法人税の負担を軽減する。ただ利害調整が難しい酒税は対象外となりそうだ。
 (3)の消費税は税率1%引き上げで2.5兆円の税収が見込める。ただ、政府・与党は社会保障財源としての活用を決めており、政府税調内にも増税対象から外すべきだとの意見がある。


 政府税調の14日の会合は、所得税と地方税である住民税を連動して上げる方針で大筋合意した。復興事業には全国規模の防災事業も含まれており、この地方負担分を地方税の増税で賄えば国税増税規模は小さくなる。


 与党には政府保有株の売却で増税額を大幅に圧縮すべきだという意見があるほか、増税期間を15〜20年に延ばして1年当たりの増税額を減らすのが望ましいとの指摘もある。
 政府・与党はこれらの意見を踏まえたうえで最終的な増税案を固める方針だ』

文責:永嶌和彦