日本経済新聞より

『政府は東日本大震災からの復興費用を賄う臨時増税について、これまで5〜10年と見込んでいた増税期間を15〜20年超に延ばすことを検討する。毎年の税負担を軽くし、景気への影響を和らげる狙い。
 政府税制調査会で所得税と法人税の定率増税を軸に複数の案を検討する。与野党協議を経て月内に最終案をまとめることを目指す。


 政府は7月29日に決めた復興基本方針や8月9日の民自公の3党合意で必要な復興増税の規模を12.5兆円と想定。復興債を発行して市場から調達したうえ、その償還期間を復興期間と同じ「5〜10年」と定めた。この間に増税も終える方向だった。


 だが、5〜10年の償還期間に合わせて償還費用を増税で賄うと、企業や個人への打撃が大きすぎるとの見方が政府・与党内で台頭してきた。所得税と法人税の年間の税収は合計20兆円強。5年で増税を終えるには年2兆円超、1割の定率増税が必要になる。


 このため政府・与党内で償還期間を10年よりさらに延ばし、毎年の負担をより小さくする案が浮上してきた。安住淳財務相は復興増税の期間について「次の世代につけ回しはしない。30〜40年ではそうなってしまう」と話しており、最長でも20年超にとどめるとみられる。


 2010年半ばには社会保障と税の一体改革に伴う消費税増税が控えている。復興増税の期間を長くして毎年の税負担増を薄めることで、一体改革での消費税増税の妨げにならないようにする思惑も政府にはある。


 幅広い税目で増税したり、歳出削減や税外収入の確保で増税規模を圧縮したりできれば、増税を短期間に終えられる可能性も残る。
 政府税調は様々な選択肢を総合的に考慮し、復興増税の政府案をまとめる方針だ』

文責:永嶌和彦