日本経済新聞より

『政府は東日本大震災からの復興財源に充てるため、固定資産税の増税を検討する。復興増税の対象は所得税と法人税が有力だが、それだけを財源にすると、所得税や法人税の負担が重くなりすぎる可能性があると考えたため。税収規模の大きい固定資産税も活用する複数の案を作り、政府税制調査会で議論する。


 政府税調は臨時増税を検討するため財務、総務両省の副大臣らで構成する作業チームを設置。月内に増税の選択肢をまとめる予定。増税の候補として議論する固定資産税の税収は、2011年度の計画ベースで約8兆9千億円。地方税では個人住民税に次いで大きく、国税の法人税と同等の規模がある。税額を1割引き上げれば、単純計算で年間約9千億円近い財源が見込める。


 ただ、地方税である固定資産税の増税には国と地方の協議が必要。地方税は地方自治体の住民サービスの対価なので、税収を特定の地域に振り向けるのは適当ではないとの指摘もある。また被災地を増税の対象から除くと他地域の負担が重くなる問題もある。


 国は地方の財源不足を地方交付税で穴埋めしている。固定資産税の増税は国と地方の財源問題につながるため、税調は慎重に議論する方針だ。


 政府は復興事業費の一部である10兆円と、11年度の基礎年金の国庫負担分2.5兆円を合わせた12.5兆円を「復興債」の発行で調達する方針。これにB型肝炎訴訟の和解金7000億円を加えた最大13兆円規模を臨時増税で賄い、復興債の償還原資にする』

文責:永嶌和彦