日本経済新聞より

『国民年金の加入者が未納保険料を追納できる期間を現行の2年から10年に延長することを柱とする年金確保支援法案が4日に成立する見通しとなった。未納で無年金や低年金になる人を3年間の時限措置で救済する。
 同法では確定拠出年金の拡充策も盛り込み、企業が運営する制度で2012年1月から従業員個人の掛け金を上乗せ拠出できるようになる。

 
 3日の衆院厚生労働委員会で民主、自民、公明などの賛成多数で可決した。4日の衆院本会議で成立する見込み。


 国民年金の受給には保険料を最低25年間(満額年金を受け取るには40年間)納める必要がある。
 国民年金は自営業者向けの公的年金だが、近年はパートなど非正規労働者の加入が増加し、こうした加入者の未納が増えている。追納期間の延長で未納者の追納を促し、将来、低年金・無年金になる人を減らす狙いだ。


 厚生労働省の推計では、追納期間を10年に延長することで未納分の納付が進めば、最大で1600万人が将来の年金額を増やせ、最大40万人が無年金にならずに済む可能性があるという。

 ただ期間延長で未納がかえって増えるとの指摘もある。追納できる期間が延びれば「後で納付すればよい」と考える人が出かねないからだ。このため3年間の時限的な救済策として実施することにしたが、未納者がこの間に積極的に保険料を納めるかどうかは不透明。60%を割り込んだ国民年金納付率の低迷に拍車が掛かる懸念も残る。


 今回の法案は民主党政権が「年金制度の抜本改革を待たずに、すぐできる改善をやる」という方針で昨年の通常国会に提出したもの。「当座しのぎ」の感が強く、その後に浮上した年金関連の改革との擦り合わせは必ずしも十分ではない。


 今年6月に政府・与党が決めた「税と社会保障の一体改革案」では、無年金対策として受給資格期間そのものを25年から10年に短縮する方針を打ち出した。これが実現すれば保険料を追納しなくても、10年以上の納付期間があれば無年金を回避できることになる』

文責:永嶌和彦