毎日新聞より

『政府・民主党は15日、東日本大震災の復興財源として発行する復興債の償還に充てるため、所得税と法人税を一定期間引き上げる方針を固めた。所得税・法人税を1割程度引き上げることで年間1兆数千億〜2兆円程度を確保し、10年かけて償還する案を軸に調整する見通し。
 消費税は社会保障財源として段階的に10%へ引き上げる案が検討されていることに加え、民主党内に反対論が根強いことから、復興増税の対象からは外す方向だ。

 民主党の岡田克也幹事長は15日の自民、公明両党幹事長との会談で、「二重ローン」対策などを盛り込んだ2兆円規模の11年度第2次補正予算案を、7月中旬に国会に提出する方針を伝えた。財源には10年度決算剰余金などを充てる。
 8月以降に本格的な復興経費を計上する第3次補正予算案を編成し、十数兆円以上と想定される復興財源は、復興債の発行で賄う方針だ。

 参院で審議中の復興基本法案では、復興債はほかの国債と区分して「償還の道筋を明らかにする」と定めており、3次補正までに償還方法を確定させる必要がある。
 政府の復興構想会議が11日に公表した第1次提言の骨子は、復興財源について「今を生きている世代で確保」するとして、基幹税(所得税、法人税、消費税)の増税を検討するとした。

 政府は11年度当初予算ベースで、所得税収を約13・4兆円、法人税収を約7・7兆円と見込んでいる。

 仙谷由人官房副長官は所得税・法人税を1割増しにする定率増税を提唱しており、所得税だけで約1・3兆円の増収になる。

 政府は法人税の実効税率を5%引き下げる方針だったが、すでに見送りが確定。法人税減税とセットで予定されていた課税範囲の拡大を実施すれば約0・8兆円、課税範囲を拡大せず1割の定率増税を実施してもほぼ同額の増収が見込まれる。

 政府高官は15日「復興債の償還期間を10年とすると、年間1兆数千億円。所得税と法人税で十分対応できる」と語った。

 消費税率を1%引き上げれば約2・5兆円の増収効果があるが、枝野幸男官房長官は「被災地の皆さんにも同じようにかかる問題点がある」と、消費税増税には否定的な見解を示している』

文責:永嶌和彦